キャトルのトラブルについて
>>キャトルとは?・キャトルのトラブルとチューニング、まとめ
さて実際に養うとなるとどんなことに注意が必要なのでしょうか?
まずは日頃のメンテナンス。
まぁ全てが機械式の車ですから、どうしても消耗品が現代車よりも若干多いかもしれません。なかでもディストリビューター(電気をプラグに振り分ける装置ですね)。最近の車は電子制御ですが、キャトルは機械式。歯車に会わせてポイントという部品がくっついたり離れたりすることで電気信号をプラグに伝えます。12Vの電流が1次コイルで増幅されて、それがディストリビューターにくっついているコンデンサーによって2万ボルトまで電圧を高められて、ポイントがその電気をパチンぱちんとプラグへ伝えるわけですから、そうこうしているうちにどんどん摩耗していきます。
摩耗が進むとクリアランスが変わるためタイミングが少しずつずれてきます。すると走りに力がなくなってきます。加速がにぶくなったりします。そのため定期的な調整、もしくは交換が必要となります。大抵コンデンサーも一緒に換えます。部品代は安いので大してお金はかかりません。5000円くらいかな。
プラグコードそのものも痛んでいるケースがあります。痛んでいるとリークといってコードのひび割れなどから電気が漏れます。これは一度換えれば相当保つので良いものに換えてもいいでしょう。うちはスプリットファイアー社製のプラグコードを特注で作ってもらいました。2万円ちょっと。ですが、別物のように走りがよくなりました。ビックリしました。古い車はちょっと何かよくするとテキメンに効果が現れたりします。
プラグも定期的に交換しましょう。別に目安は決めてませんが、車検時には換えてるかな。その程度。うちのは今はイリジウムプラグです。デンソー製。それしかなかったみたいで。効果はわかりませんが、長持ちしそうです。1本2000円くらいだったかな?
そしてオイル交換です。これはどんな車でも基本ですね。僕は自分でしないので主治医に銘柄はお任せしています。オイルのクラスも銘柄が何かも知りません(笑)。時々フューエルフィルターも見てみましょう。エンジンの真上近くにあるので、漏れたら怖いです。
キャブレターは気をつけている人は時々エアクリーナーを外してキャブクリーナーを吹いています。僕はごくまれに気が向いたらする程度です。元気に走っていればそんなに汚れることも無いでしょ。まだ走行1万キロ未満の時にはよくキャブが詰まって交差点で立ち往生したこともあります。今は全くないです。
シフトレバーの動きが悪いときはエンジンルームを縦断するアームをグリスアップしますが、自分でやったことはないなぁ。
クラッチが重いときはワイヤーを交換してしまうのがいいみたいです。切れたって話しは聞いたこと無いですけど、交換するとビックリするくらい軽いです。最初はこんなんだったんだぁって感じで感心します。
よく聞くトラブルは?(うちの経験談より)
いろいろありますが、命に関わるようなトラブルは一昔前のイタ車と比べてあまり聞きません。注意するとしたらブレーキトラブルでしょうか?特にリアのドラムブレーキにトラブルが出ることが時々あります。うちもありました。ただしすぐに効かなくなるわけではないので早く治せば大丈夫です。
乗らずに長く放置するとブレーキ内部で部品が固着したりして壊れるみたいです。
症状としてうちのは一度だけスコーンとブレーキが抜けました。交差点で止まるところを5メートルくらい進んで止まりました。ビビリました。でもその後は全く問題なくブレーキも利いていました。でもなんかどこからか異音がするんです。カサカサカサッって。そしたらブレーキドラム内部で部品が剥がれてそれが転がっていたんですね。整備の人がビックリしてました。まぁ滅多にないですからご心配ないです。
それと水温のトラブル。これはどうしても古くなってゴムホースなどから水漏れを起こしたりする一般的なトラブルもありますが、僕が経験したのは冷却ファンの温度センサーが劣化して動かなくなり、ファンが回らなくなったことによるトラブルでした。この場合は走っていると水温が下がりますが、停車時にどんどん水温が上昇します。ちょっと怖いです。
センサーもバイメタルという部品による機械式なんですけど、これが経年劣化で動きが悪くなるんですね。うちのキャトルは水温が90度になるとセンサーのスイッチが入ってファンがまわり始めますが、100度超えても回っていませんでした。最高108度を記録しました。もうドキドキです。センサーをバイパスして直結。ファンを回りっぱなしにして整備工場へ。バッテリーに負担がかかるので長期間これはできません。
ぜひ水温計くらいは装着したいですね。かなりトラブルが回避できます。
それとバッテリーのトラブル。大抵はオルタネーター(発電機)の方に問題があります。が、オルタネーターよりもそのベルトに問題があることも結構あります。特にクーラー取り付け車の場合クーラーベルトと絶妙なバランスで締めてあるので、その2本のベルトの調整が狂いやすいみたいです。うちの場合前述の水温トラブルとほぼ同時期に来たのでベルトの劣化もそれに拍車をかけて、充分に発電できなくなっていたんですね。
ですから夜の高速道路走行中に次第にヘッドライトが暗くなっていき、後付の電子式水温計の針がポテッと落ち、室内の計器類の明かりも暗くなってきました。最終的にはヘッドライトは蛍の光、ウインカーも点灯せず、エンジンはキャブ車なので止まりはしないものの、あえなくレッカー移動となりました。この時ばかりは生きた心地がしませんでした(笑)。ベルト交換と水温センサー交換。ついでにちょっといい冷却水。サーモスタット等も交換して復活しました。修理代は意外と安かったです。レッカー代が高い!その辺の整備工場には任せられないからです。
あとはスターターモーターが突然死することもあるみたいです。もしくはイグニッションコイルなどが。うちはイグニッションコイルが突然死したことがあります。走行8万キロくらいのときでした。混んだ国道をゆっくり走行中に突然エンジンストールして、かからなくなりました。あわててお店の駐車場まで一人で押しました。軽いからハンドルもって一人で押せます。
ちょっとしたトラブルは他にもありますが、スピードメーターが切れたとか(切れる前ぶれとしてメーターの針が踊り出します)、パーキングレバーの警告灯が点かなくなった(ただの球切れですw)とか、ポジションランプが点いていないとか(たたくと治ることが多い=接触不良)、シートを最大角までリクライニングしたら元に戻らなくなったとか(無理矢理力ずくで戻しましたのでシート地巻き込んで少し破けちゃいました)、そんな程度です。
まぁあくまでうちの話しなのでトラブルはほかにもあるかもしれませんが、うちの場合で13年所有して大きなトラブルはこんなもんです。かわいいもんです。ですから意外と養育費もかかっていません。・・・ん?かかってるか?
チューニング
まぁ走り系の車ではないので快適装備について。
まずビックリするのがヘッドライトの暗さかもしれません。都会に住んでいる人はいいかもしれませんが、田舎道は暗いです。川沿いの道を通るとか、あぜ道を通るとか、道無き道を行くとかすると、ほんとに暗い。イエローバルブだと、それはろうそくが点っているくらいの暗さです。そこでおすすめなのがHID!というのは冗談で、BOCSH製のリレーです。1万5千円くらいだったと思いますが、これでハイワッテージのバルブが使えるようになります。といってもキャトルのヘッドライトはその辺のカー用品店にはまずおいていないし、種類もどんどん少なくなっています。
この前バルブが切れて(ちなみに60Wで100Wの明るさタイプ)交換しようと尋ねたら、キャトルに合うそのタイプはもう生産中止になったそうです。片目だけ在庫が残っていたので、右にそれを、もう片方は100Wのバルブ、しかも現代車用のを強引につけてもらいました。リレーなしでつけたらコードが焼けますので危険です。かなり明るくなりますよ。
あとポジションランプがよく付かなくなります。ほとんど接触不良です。たたくと治ります。しかし根本的に配線などがめちゃくちゃらしいので、正しい配線にやり直してもらうとトラブルは減ります。
バッテリーは国産がそのままでは使えません。が、接点を加工してつけられるようにしている人もいます。出来ないことはない。ですが、国産にせよ、輸入車用にせよ、多少キャトルにはオーバースペックのものを搭載した方がよいと思います。バッテリーのトラブル時少しでも長生きできるように・・・。
うちはAC DELCOの輸入車用を使っています。2万8千円くらいしたかなぁ。しかし最初に付いていたスロベニア製の怪しいバッテリーから交換してそのままです(5年使いましたが、意外にも全く問題はなかった)。8年くらい使っていることになります。突然死するという噂もありますが、BOCSH製よりははるかに評判はよいようです。そもそもキャトルは電気をあまり使わない車ですから、負担も少ないんですね。
うちのと同じサバーヌ(ソリッドなホワイトにブルーのサイドデカールが施してある車種)はエアクリーナーが2個付いていますが、日本では必要ないので1個外している人が多いです。しかしただ外しただけだと吸気口がエンジンの真上に来るため、ホットエアーを吸い込んでしまい、夏場は特に効率が悪くなりますので、気になった僕はフロントまでエアインテークホースを延長しました(正確にはしてもらいました)。吸入抵抗が増しますが、高回転エンジンではないのでかえって低速トルクが増えて乗りやすくなりましたよ。
アーシングもしました。自作です。マイキャトルコーナーに詳しく解説していますが、これはよかったです。クーラーつけても走りへの影響がほとんど無くなりました。見た目はよくないですが、かなり安く仕上げました。おすすめかも。プラグコードも立派なものにかえると元気がよくなります。
セミトラを導入する手もあります。これをつけるとポイントの負担が減るので、点火時期が滅多に狂わなくなります。永井電子製のもので1万円ちょっと。ボルトオンで装着できます。うちもいずれつけるつもりです。キャトル用のフルトラもあるみたいですが、こちらはちょっとトラブルがあるみたいで装着も大変らしいです。
ワイパーを間欠式にするのも外付けパーツでできます。小雨時助かりますね。
が、もうあまり存在しないみたいなのでお早めに!
あとETCは高速道路を使う人には絶対オススメです。左ハンドルですから特にね。
マフラーや足回りはは好きな人だけ換えるといいです。ルノー5(サンク)用を加工してつけている人がいます。
以前九州にもKONIの足回りにDEVILマフラー、ゴルディニブルーに全塗装したキャトルがいました。当然白いラインが2本前から後ろに走っています。キャトルはポンコツラリーにもよく使われますので、意外にレーシーな姿も魅力的です。
まとめ
長々と書きましたが、それでもキャトルの全てを伝えるのは困難です。それくらい噛めばかむほど味が出る魅力的な車です。はまるとまず手放せなくなるでしょう。そんな魔力を秘めています。あんなホノボノした見た目ですが。キチンと整備さえしておけば、全く不自由なく日常の足に出来ます。通勤にも使いますし、家族でお出かけも余裕です。長距離だって心配はまったくないし、まるで家族の一員のような存在となってくれるでしょう。
なんか憎めないんだよな。
しかしそこは古い車ですから、市場に出回る車体も随分と扱われ方によっては個体差があります。新車でも個体差が激しい車ですから余計です。購入を検討されている方はまずサビなどをチェックして(多少はしょうがないですが、腐りかけはあとで大変な出費となります)、それなりにエンジンの状態などを始動して確かめましょう。通常ならアイドリングはとても安定していますので、乱れがひどいものは点火時期の調整が必要です。あとはほとんど妥協して少しずつ治していく覚悟で臨みましょう。
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